[音ネタメモ帳001-2]Schranz系のビート作り後編

前回からかなり空いてしまいましたが、Schranz系のビート作り後編です。

さてまずは復習という事でステップシーケンサーを見てみましょう。

前回は上から3個(メインのキックとサブキック)を解説しましたが、今回は残りのスネア・ハット・ライドシンバルを解説していきます。

スネアの打ち込み

通常、スネアというと2拍4拍で打ち込むのですが、今回の場合はパーカッションの一種であると考えて打ち込んでいます。上記のトラックでも2拍4拍というよりはサブキックと同じような入力になっているのがお分かりになると思います。

今回のスネアの役割としては、下記の二つを想定しています。

  1. 裏拍の強調(16分のビートを感じさせて疾走感を演出する)
  2. 高域のうるささの強調(じわっと持ち上がる感じにして頭の振りを強調する)

※別の考え方で作っている方もいるかもしれませんが、今回は説明のため、上記の前提とします。

今回の場合、プレイリストの上から1つ目のスネアが1.の役割、上から2つ目・3つ目のスネアが2.の役割を担っています。それぞれの打ち込み方を解説します。

1つ目のスネア(Snare)

とりあえず裏拍で16分二回鳴らしましょう。終わり!w
怒られそうな書き方ですが、実際909系のスネアだといい感じにハマるので、ここでは特に音の加工は行わずに打ち込んでます。もし他の音色を使う場合、アタックが強めでかつ高域がスカッと鳴る音を選ぶとハズレは少なくなるでしょう。

また、このスネアはメインというよりも脇役として音を鳴らす必要があるので、音量自体は非常に小さく打ち込んでいます(実際、今回のサンプル曲でも聴こえるか聴こえないかくらいのボリュームで設定しています)。

2つ目・3つ目のスネア(SlowSnare1,2)

今回のキモとなるパートですが、実は考え方としては前回のサブキックと同じです。実際にそれぞれのエンベロープ設定を表示します。左がSlowSnare1、右がSlowSnare2ですが、サブキックの時と同じく、先に鳴らす方がアタックを遅くしていることが分かるでしょうか?今回も考え方は全く同じです。

  1. アタックの遅い音で音が持ち上がってくる感覚を演出
  2. アタックの早い音で裏打ちの細かい音(=スピード感)を演出

要は低域にやったことを高域でも同じように行い、トラック全体で音の持ち上がりとスピード感を演出しているという事になります。これがうまく全体でハマるとSchranz特有の疾走感が表現できます。ただ、低域と比べて高域は非常に耳につきやすいので、アタックやスネア同士の音の重なりは結構細かく設定する必要があります。ポイントとしてはあまり持ち上がり感がないと非常にべったりとした印象になるので、高域に関しては低域よりも音量の上下を激しくする事です。打ち込みだけでどうしようもなければ、オートメーションを使うかサイドチェインコンプで思い切り上下間を強くしましょう。

ハット・ライド

キック・サブキック・スネアまでが終わればほぼ8割方できたようなものですが、それだけでは物足りないので金物を追加してビートに個性を与えます。

ハット

ハイハットについてはあまり複雑なことは考えず、高域のメイン刻みというよりは「スネアの高域を補助する」という程度で薄~く鳴らす程度で裏拍に打ち込み、トラックのON/OFFでやっとわかるくらいの音量にしてしまいましょう。

ライドシンバル

Schranzの場合、むしろハイハットよりもライドシンバルの方が重要です。実際にシュランツを聴いたことのある方ならわかるかと思いますが、非常に「うるさい」ジャンルなので、ハットよりもライドシンバルで荒々しく刻んだ方が非常にマッチしやすいという事情があります。そのため、今回、音色自体は力いっぱいシンバルを叩いているかの様な音を選択しています(このあたり、909系のシンバルは凄いなぁと)。もし909系のシンバルがなければ、サンプラーでピッチを上げる、EQで10~12KHz辺りをブーストしてキンキンした音色にする、などライドの音を保ちながらもうるさい音を作りましょう。このあたりは僕も研究中です。

ここまで終われば基本のビート作りは終わりです。お疲れさまでした。

終わりに

ここまでの設定や打ち込みでSchranzの基本ビートが出来上がったので、後はこのビートをもとにして曲を作っていくだけですが、Schranz自体が元々ミニマルテクノから派生したものであるため、ほとんどの場合はビートとベースと効果音と声ネタがあって終わり、という物も少なくありません(実際、iTunesなどで聴けるものも楽器構成が非常にシンプルな物が多数)。その代わり、一つ一つの音色がいかに埋もれないようにするか、いかに飽きさせないような展開にするか、といった事を考えていく必要がありますが、これに関しては今回のネタの範囲を超えてしまうので、またおいおい書いていく事にします。

今回の解説があなたの音作りのヒントになれば幸いです。レッツサウンドメイキング!

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