[音ネタメモ帳002-3]HardstyleなKickの研究 その3

なんだかんだ言って3カ月空いてしまった音ネタメモ帳ですが、書き残しのままというのもダメなので、HardstyleなKickの仕上げ最終回です!

という訳でこれまでの音源のおさらい。

まず、シンセでの音作りでベースラインを設定しました。

このままではキックらしくないので、ピッチとアンプのエンベロープを調整し、キックらしいアタック感をつけました。

しかしながら、Hardstyleと言えばあの荒々しいキックが命。というかこの音で跳んだり跳ねたり、盛り上がる事は出来ないでしょう?という事でここから一気に派手な音を作っていきます!

さて、音を派手にする、と言っても方法としてはいくつかありますが、今回使える手としては二つのやり方があります。

  1. そもそもの音を加工する(エフェクト的手法)
  2. 複数の音を重ねていく(レイヤー的手法)

出したい音や手持ちのサンプルによって手法は変わってきますが、僕の場合は「大きく音を変えたいときは1.の方法、足りない帯域を埋める(=補正する)ときは2.の方法」と使い分けています。
理由としては、前者は元々の音の帯域・位相・音量などをダイレクトに操作できるのに対して、後者は音のパラメータの変化量はどうしても重ねる音に依存してしまうからです。

という訳で、今回はエフェクト的手法でキックのキャラクターを大幅に変更し、そこからサンプルのキックを重ねてアタック感を調整する、という方法で音を作っていきましょう。

キックを歪ませる

今のキックの音は正弦波から作っている都合上、倍音は無いという状態なので、サンプルトラックの音に近づけるには倍音を増やして加工してあげる必要があります。
そこで、まずはキックにディストーションをかけて大きく歪ませましょう。

おお、これでかなりらしくなった、という感じですが、このまま鳴らすとシンセパートとぶつかってしまったり、逆に低域が目立たなくなってしまうので、EQで中域を削り、高域・低域を強調するように加工して、ドンシャリ気味な音にします。
このとき、ドンシャリといってもEQカーブがバスタブ型にならないように注意。M字型といいますか、超低域と超高域は加工しない、という事がポイントです。

そして、ここからコンプレッサーを使って、ディストーションによって潰れてしまったキックのアタック感を再度補正します。パラメータは自分の耳で確認しながら調整する必要がありますが、アタックは短くても15ms~25ms、ゲインリダクションは-4~-6dBくらいが目安かなと思います。

これで一旦、派手なキックが出来上がりましたが、最近の音作りではエフェクト加工を一回だけで済ませるのではなく、何回もエフェクトを通して(時には加工中の音を一度書き出して、再度DAWに取り込むなどして)加工していきます。キックはダンスミュージックの顔とも言える存在なので、とにかくカッコイイ音になるまで作り込んでいく事がキモですが、一度の加工でやり過ぎるのではなく、「少し足りないかな?」くらいの補正を重ねて行って目指す音を作っていくのがコツです。(ちなみに、このサンプルのキックはディストーション→EQ→ディストーション→EQ→コンプという順番でエフェクトをかけています)

キックをレイヤーする

さて、キックを歪ませる方向で加工を行いました。このまま鳴らしてもいいのですが、やはりもう少し派手にしたい、という事で元の歪んだキックのキャラは活かしつつ加工するために、他の音を重ねて補正していきます。

という訳で今回用意したレイヤーはこちら。前者はシンセとディストーションで作成、後者はFL Studioのデフォルトの音にディケイをきつめにかけてアタックだけ取り出しています。

これらの音を重ねていくのですが、ここでの方針は「補正する・しない音域を決める」「重ねる音に優先順序をつける」の2点となります。

最終的な補正をする

ここまでで音をエフェクトで加工する、他の音と重ねる、という方法でキックをまとめていきましたが、まだ終わりではありません。最終的に出来上がったサウンドを更に補正して、音としてのまとまりを整えていきましょう。

この工程まで来ると、後はEQ→コンプで十分なのですが、今回はもう少しドンシャリ具合を強調したかったので、マルチバンドコンプ(FL StudioのSoundgoodizer)でさらに派手にしてみました。最終的なキックはこちら。

まとめ

今回作ったキックと他のパートとの組み合わせ結果はこちら。

さて、結構日が空いてしまったのですが、ようやくHardstyleのキックに関する解説が終わりました。各回、結構長めの執筆となってしまったのですが、エフェクトを使った音作りが必要になる分、”Hard”と名の付くジャンルはダンスミュージックの中でもかなり手の込んだものになるという印象です。(人によってはキック専用のプロジェクトを作る事もあるとか…)
それだけに、誰にも負けないキックが出来れば強みになるので、日々精進してより派手に、より最高のダンスミュージックを作っていきましょう!

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